不動産一括査定サイトについて

その仕組みとメリット・デメリット

 

結論

「売却査定の依頼を集客することで収入になる不動産一括査定サイト」と「不動産の取引をして仲介手数料を得ないと経費倒れになる不動産会社」この両者の立場の違いがトラブルを生む原因になります。

 


 

不動産一括査定サイトとは

不動産一括査定サイトとは、売却したい不動産の情報(所在地、種別、広さ、築年数等々)と個人情報を一度入力するだけで、サイトの運営会社が提携している複数の不動産会社に査定申込ができるサービスのことです。 個別に電話やメールなどで査定の申し込みをしたり、わざわざ店舗まで足を運んで査定の申し込みをしたりする必要がないので、簡単で利便性が高いポータルサイトです。

 


 

不動産一括査定サイト(運営会社)の一覧

不動産会社ではなく大半がIT系企業です

SUUMO売却査定(リクルート)

Home4UNTTデータ・スマートソーシング)

・マンションナビ(マンションリサーチ)

・イエウール(Speee

・ライフルホームズ(LIFULL

・おうちクラベル(SREホールディングス)

・リビンマッチ(リビン・テクノロジーズ)

・いえカツLIFE(サムライ・アドウェイズ)

・ズバッと不動産売却(ウェブクルー)

HowMa(コラビット)

Reguid(ウェイブダッシュ)

まだまだ他にもあります

 


 

不動産一括査定サイトの仕組みとキャッシュポイント

①サイトを作成して、不動産の査定をして欲しい人をで集客する

      ↓

②そのサイトで得た個人情報等を、1査定約1万円前後で不動産会社に売って収益を得る

 

・顧客は査定を依頼するエンドユーザーではなく、その情報を購入する不動産会社

 

また、その中でも大手不動産会社を顧客にすることでサイトにとっての絶大な宣伝効果になる

 


 

不動産会社のキャッシュポイント

実施に査定を行う不動産会社の

キャッシュポイントは以下の通りです

 

①不動産一括査定サイトから査定依頼に関する個人情報等を購入する

      ↓

②査定依頼者に連絡する → 連絡がつかなければここで終わり

      ↓

③依頼のあった不動産の査定をする

      ↓

④売主と売却についての商談をする → 断られればここで終わり

      ↓

⑤売主と媒介契約を結ぶ

      ↓

⑥販売活動を開始する

      ↓

⑦購入希望者を案内

      ↓

⑧購入希望者と商談 → 断られればまた新たな購入希望者を探す

      ↓

⑨購入希望者との売買契約をセッティングする

(重要事項説明書や売買契約書など契約に関する書類の作成、ローンの事前審査の準備等々)

      ↓

⑩物件の引き渡し(決済)の準備をする

(売主の登記を移転する準備、買主のローンの申し込み等々)

      ↓

⑪物件の引き渡し(決済)をする

      ↓

仲介手数料を受け取る

 

不動産会社はこの長い道のりを経てはじめて収入を得ることができます

 


 

不動産一括査定サイトの問題点

①不動産が売れようが売れなかろうが、実際に売りにだそうがださなかろうが自分たちには直接関係がない。

 

②査定依頼が増えることで収益が上がる。

 新規参入する会社が増えすぎて査定依頼者の獲得が難しくなってきた。

 

 上記の2つのことが、「売却予定の有無」に関わらず、煽り文句を多用してでも査定依頼へと誘導する傾向が強まってきている。

 個人情報等の第三者利用等に関しては、サイトの利用規約等であらかじめ示されており、依頼者が承諾した形で情報を送信しているので違法性があるわけではない。しかし、査定依頼者と不動産会社との間で起こりうる現場ベースでのトラブルの責任を負う必要もないので、サイトの利用者があらかじめ理解しておきたい部分でもある。

 


 

三者の目的のズレ

①不動産一括査定サイト

集客が増えれば収益が上がるので、売却の予定のない方を煽ってでも査定依頼を増やしたい。

 

②査定依頼者

サイトの広告を見て「実際に売却する予定がなくても無料で査定がしてもらえるサービス」だと認識して査定依頼をする。

 

③不動産会社

売却を任せて欲しい。

 

お金を払って購入した案件自体が、はじめから売却する予定がない案件だったとすれば、不動産会社にとっては当然面白くありません。経費と時間の無駄遣いになってしまいます。

この三者の目的や認識のずれがトラブルを生む原因です。

 

一般的に不動産会社では、このような不動産一括査定サイト数社と契約をし、月に数十万単位の経費を支出します。

例えば10件の査定依頼が来たとしても、その内の半分くらいは連絡がつきません。また、連絡はついてもはじめから売却の予定がない方が大半です。実際に売却を予定している方は12件あれば良い方です。しかも、その12件の案件を6社前後の不動産会社で取り合うわけですから、このあたりの経緯をご理解いただければ、不動産会社の営業担当がかなり熱心にアプローチしてくる気持ちも少しはおわかりいただけるかと思います。

この問題は、査定依頼者や不動産会社が対処することではなく、査定依頼を募るサイト側が改善するべき問題だと思います。


 

【まとめ】

 

メリット

・一度の個人情報等の入力で、複数社の不動産会社の査定価格を受け取り、比較することができる。

 

デメリット

・一度の個人情報等の入力が、複数社の不動産会社に渡ってしまうため、個人情報等の不正利用などのリスクがある。

 

・査定依頼をしたサイトの運営会社と、実際に査定を行う不動産会社の目的などが違うため、そこに挟まれた査定依頼者者が、結果的に複数社の不動産会社から一斉に過剰な営業を受けるなどのトラブルに発展する機会が年々増えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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